海外赴任の引っ越しは難易度高め

引っ越しの荷物が届きました

toolyee.hatenablog.com
ではじまった主夫生活もすぐに1ヶ月になりそう。早いものです。
先日引っ越しの荷物が届きました。 船便と航空便併せて60箱くらいあったのですが、ものの45分くらいで 運び込まれました。日通のチューリヒ支店から日本人?の方と、私服の 若いにーちゃん2人であっという間。ただ開梱や梱包材の廃棄は 自分でやることになってたので、その後けっこう手間だったんですが。

f:id:toolyee:20150415073043j:plain (荷物到着。たぶん半分くらいしか写ってない。)

海外赴任時の引っ越しの手順

荷物を運ぶ時間軸と手段がいくつかあるので、日本での引っ越しよりも はるかに面倒に感じました。もともと地方出身で東京に就職してるので、 上京したり、結婚したとき、子供が出来たとき、家買ったとき、と 引っ越しを何度もしてきましたがまた別の面倒なところがありました。 まず、配送の手段そのものとしては以下の3つがあります。

  • 手持ち
  • 航空便
  • 船便

手持ちは読んで字のごとく海外旅行と同様に自分で持ってくスーツケース および手荷物で、航空便は到着が早い(2週間くらい)が少量だけ運べる、 そして船便は到着が遅い(2ヶ月くらい)が大量に運べる、というものです。

ああ3種類なのねと思いきや、発送と着荷の時間軸でもう少し厳密に分けられ 、さらに今回は妻の会社が船便を2回分利用させてくれたので...

  • 手持ち/手荷物(機内で使う)
  • 手持ち/預けるスーツケースa,b(実家滞在中使用)
  • 手持ち/預けるスーツケースc,d(実家滞在中使用しない)
  • 航空便;出発直前に発送、到着後すぐに着荷
  • 船便1回目;2月に発送、到着後すぐに着荷
  • 船便2回目;出発直前に発送、到着から1ヶ月半で着荷

という6種類の時間軸で所持品を仕分ける必要があったのでした。 なんか手荷物が細かいようですが、我が家の場合は小さい子供がいるので 機内に持ち込む荷物にはおもちゃ含め工夫するためと、 今回の出発は一旦実家に帰る予定があったのでそこでの生活も 含めて準備することになったのです。

何を運んだか

基本的には夏服冬服などの衣類、子供のおもちゃ、PCなどが ありますが、現在住んでいるスイスのアパートは妻の勤務先の 借り上げ社宅みたいなもので、ベッドやソファなどの大型家具から フライパンや食器、タオルやシーツなども一通りしつらえてある タイプの住居だったため、日本食や子供の紙おむつなどmade in Japan な良品をひたすら詰め込みました。
f:id:toolyee:20150415073154j:plain (船便1回目の様子。この頃はまだ会社の大半の人には内緒だったなぁ。)

いっぽう着いたときには食卓にフルーツ盛りがあり、冷蔵庫には牛乳や チーズ、小さなスパークリングワインまで置いてくれていたのです。 もっともこれはあらかじめ聞いていたところで、妻の会社とのメールの やりとりを見るに"...your house will be fully furnished. (あなたの家は家具がばっちり備わってるよ)"を見たときには笑いました。 さすが海外赴任な内容もさることながら、fully furnished なんて単語 、昔みた英単語帳にあった気がするけどほんとに使われるとこ見れるなんて。

それはさておき、この海外赴任の引っ越しをやってみて気づいたんですが、 やれ海外のトイレットペーパーは固いだの ドイツやスイスの人はハンカチで鼻をかむからティッシュペーパーが 売ってないだの、あっちの紙おむつは品質がアレだとかで、 妻が聞いてくる海外の怖い話の言うがままに日本のものや調味料などなどを 大量に買い込んで送ったのですが、実際生活してみると意外に なんとかなっちゃうんですよね。まさに杞憂。手持ちの荷物でけっこう なんとかなっちゃったなぁと。 それでも、持ってきて良かったなぁとしみじみ思うものについては、以下 アフィリエイト付き(うひひ)のリンクを貼らせて頂きます。 日本での生活のときから役立っていたので是非。 ぜひ。

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子供用品ではダントツのエプロン。家用と外出用を。ソフトスタイは 食洗機で洗えるのもGood。紙エプロンのビブスターは コストコで大量購入してもいいと思う。

フィッシャープライス 【日本正規品】 ポータブル・ベビーチェア (P0109)

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上記エプロンにひけをとらないくらい利用頻度高い。日本でも 常に車に積んで、旅行とか外食時はとりあえず持ち込んでた。 高さも調節できるしベルトあるし最高。

Amazon PBの充電池 通称アマループと充電器。最近ハイスタミナの黒が出てかっこいい。 子供のおもちゃは何かと電池をよく使う。プラレールの電池替え地獄とか...

みんな大好きAnkerのUSB急速充電器。海外でもiPadiphoneとmicro USBを同時に充電できる。 これは便利。最強。

モバイルバッテリー。海外でも大活躍。充電時間も長くなる分、容量はこれくらいが自分にはちょうど良い。リュックに常に入れてる。

そしてようやく自家用車も到着! f:id:toolyee:20150415074116j:plain 明日もがんばろー

スイスに移り住んで1週間たちました

大変でした

今ブログを書いているのは夜で、子供を寝かしつけてからの時間です。 今日までの1週間はほんとに疲れ果てていて、子供の寝かしつけとともに 寝落ちて朝が来ていました。何に疲れ果てたかというと、ほぼ子供の世話です。 初めての新生活や後に書く現地特有の苦労ももちろんあるんですが、 日本を出国する先月3月末から子供が風邪をひいてしまい、ぜんそくのような 持病がある子供は風邪をひくと色々世話が焼けるのでした。

というかそもそも、やはり1日中子供の世話をするのは大変ですね... 僕は子供が3ヶ月くらいのときに、育休(実際は有給で長めの夏休み3週間) をとったので1人で子供の世話をするのがいかに大変かを分かっている つもりでしたが、赤ちゃんと3歳児はまた異次元。これを読んでるパパさん!、 特に未就学の子供を専業主婦の奥様1人で1日中世話されているケースは、 ぜひとも普段からパートナーの苦労のケアを!!(まじで!!)

スイスという国

あらかじめ調べたり聞いたりしたスイスという国をまとめておきます。 スイスの国土の形状はなんとなく四国本島に似ていますが、面積はその倍の 九州本島よりも少しだけ大きい4万平方キロ、人口は四国のほぼ倍の8百万人 なので、人口密度的には四国と同じくらいです。ヨーロッパの中では 極端に物価が高くかつ裕福な国として非常に治安が良いと言われており、 実際英会話教室でもヨーロッパ系の講師の方から「スイスは大丈夫だけど 隣のイタリアやフランスに行くときは絶対気をつけろよな!外では誰とも話すな! 50ユーロだけ持って他は全部ホテルの金庫だぞ!」なんて何回言われたことか。

そしてGDPは世界で20位あたり、人口も少ないので一人あたりGDPでは 世界で4位(2013年)です。物価が高い理由を説明するとヤケドしそう なのでやめときますが、EUに加盟せず自国の1次産業や労働力を保護し、 最低賃金もとても高いことが理由の1つのようです。人件費が非常に高いので 、なんでも高いとされるスイスにおいても外食はダントツに高くなっています。 通貨はスイスフラン(CHF)、今は1Francだいたい120-125円です。

あとは多言語国家であること。隣接するドイツ、フランス、イタリアの 言語に加え、ラテン語を起源とするロマンシュ語の4言語が公用語として 認められていますが、人口分布としては3分の2がドイツ語を話します。 ホームページも「DE | FR | IT」と多言語表示に対応しているのが普通。 ちなみに、スイスのドメインは.chで、これはラテン語の国名 Confoederatio Helvetica(なんぞこれ!)の頭文字をとっているそう。 さらにスイスって言い方はある意味日本語で、英語ではSwitzerland( スウィッツァーランドゥ、英会話教室で訂正された)、ドイツ語では Schweiz(シュヴァイツ)といいます。ドヤァ。

もうひとつ、これは観光でなく移住した人からの忠告だったのですが、 洗濯や掃除は平日の午前7時から午後10時までの間、さらに日曜は絶対ダメ、 とされています。お店やスーパーも土曜は早く閉まり日曜は閉店です。 スイスは敬虔なキリスト教の国であり、日曜は安息日として"静かに" 過ごす日となっているからです。これは国民の習慣としてしっかり根付いており 、日曜にうるさくしてると隣人から怒られたり、最悪の場合、通報された人もいる なんて言われていました。

で、1週間生活してみて...

①物価が高いが給料も高い(はず)

さんざん物価が高い高いと言われて来たものの、「ものによる」という 普通の感覚かつ人々の給料もその分高いだろうから言うほどじゃないと 思ってます。たしかに自宅からそう遠くない都市中心に出る路面電車が 往復1千円くらいだったり、スーパーで買い物すると5千円いくのは普通 だし、バーガーキングのセットが2千円近くになるのはさすがに 「高っ」って思うんですが、路面電車しかりインフラ面の整備具合や お店や家屋、人々の雰囲気を見るにやはり裕福な国のようです。 それでもなんでも物価が高いわけでもなくスーパーで地元の農産物や 加工品に関しては高めなものの日本のスーパーでもあり得る範囲に 思います。また、観光でも有名なところではチョコレートやチーズ、 ワインは安くて良いものが多いようです。もちろん、チョコレートや お菓子をターミナル駅の路面店で買ったりすると日本の1.5倍くらい する、というのはあります。我が家に関しては、今月末に妻の給料が 初めて出る(主夫として初のお給料様!)のでまだ不安があるっちゃ あるのですが。

②日曜ルールはガチです。

日曜だけではありません。祝日もお店は閉店します。運か不運か、 4月はイースターがあるので、到着して最初の週末3日金曜はgood friday, 5日eater, 6日eater mondayと祝日続きに世間は4連休です。 4日土曜日を除いてスーパーは閉まってしまいますので、慣れない 買い物なのに買いだめをすることになりました。

またさっそくですがアパート階下の方に怒られてしまいました。 やはり日曜、しかもeasterの日はクリスマスに並ぶ祝日で、 ほぼいつも通り走る路面電車をよそ目に町は異常に静かでした。 まちゆく人も少なく、車通りも路地にはありません。 特に子供にはいつもより静かにさせようと思っていたのですが、 そろそろ1週間たち心のゆるみもあってか、やってしまったようです。 子供が昼寝から起きて暴れはじめてすぐ、インターホンが鳴りました。 階下の方は年配の方で、ドイツ語しか話せないとのことでこちらも ただ謝るだけだったのですが、身振り手振りで足音がうるさいことを 指摘されたので、何とかがんばろうと思います。その後子供の ストレス発散に大きな公園に遊びに行ったときも思ったのですが、 隣人や公園でトラブった際にちゃんとお詫びしたり説明できる 程度にはドイツ語やっとかなきゃなと今頃反省している所です。

③やっぱりドイツ語分からん!!

とはいえ、全然分からん(笑) 僕らが移住したのはスイスの地方都市で ドイツ語圏なのですが、駅や町の案内表示、電車のアナウンス、 スーパーの表示、商品の表示、何から何までドイツ語だけ。 特に主夫としては炊事のためスーパーでの買い物が日々の重要なタスク な訳ですが、いやマジで分からんのです。多分、日本のシャレオツな 洋食文化のおかげで、けっこうな数の英語以外の外来語に触れている と思うんですが、それってどうやらフランス語やイタリア語らしい。 milch(牛乳)は低脂肪なのか栄養付加なのか分からんまま なんとか普通の買えたけど、saft(ジュース)とか、 wurst(ソーセージ)とか、wasser(水)とか、分からんよ... ソーセージとかドイツ語代表みたいに思ってたくらいなのにヴゥーストって、 もう裏切られた感じすらあるよ...

それで実害というか、失敗もちゃんとしてしまいました。 スイスは水道水が強い硬水のため慣れてないとお腹をこわすと言われるので、 飲料水としてミネラルウォーターを買っているのですが、 ようやくコスパや硬度的にコレだ!と思った水を大量に買ったところ ガス入りだったのです。そうです、炭酸水です。冷たい水が飲みたい のにシュワっと酸っぱいやんけ。1ダース買ってもうたわ。 スーパーのPBなんですが、ラベル似過ぎ。てか2種類あるの知らんし。 悔しいから画像貼ります。

f:id:toolyee:20150406095625j:plain

(左:ガス入りの水、右:普通の水、真ん中のフランス語にgazってある)
なお、マジメな主夫の私が家計簿つけようとしてもレシートのドイツ語 が分からなさすぎて心が折れたことは言うまでもありません。
また、住んでる地域で人に英語が伝わる感覚は、日本と同じくらいかも。 スーパーの人、駅の売店の人、仕事で日常的に英語に触れない人々は 挨拶程度。逆に郵便局や都市のターミナル駅で働く人には英語でも 会話をしようと何とか協力してくれる。もっとドイツ語勉強してくれば 良かった...

これから

来週から妻が週5の通常勤務になります。主夫がんばれ俺!
来週か再来週には引っ越しの荷物も届き、住民登録して携帯契約して (プリペイドSIMは調達済み)車もゲットする予定です。
理想とされるヨーロッパ周遊の生活はまだ先になりそう...

退職してスイスで主夫します

30代会社員(男)です。このたび会社を辞めて主夫になることにしました

今月3月末をもって現在の会社を退職し、4月からスイスで1年間限定ですが主夫になることにしました。先週末3月13日の金曜日が最終出社日なので、今は有給休暇を消化する日々に入っています。元々僕も妻もフルタイムで働く共働きで、かつ夫婦の両親ともに地方在住のため、必然的に僕も平日は3-4割、休日は5割くらい家事育児をやっていました。また妻のキャリア観の影響もあり、僕の唯一ともいえる拘りとして「男女関わらず家庭で仕事で活躍できること」というのがあり、そこに向かって走っていたら、いつのまにか共働きのはずが主夫になることを選択していました、というわけです。

今回の僕の選択は、少なくとも僕の周囲をみる限り相当レアケースのようなので、僕を知るかたと、そのお知り合いで主夫や育休などに不安や興味のある方含めて、何かお役に立てればと思い書いてみようと思います。

おまえだれよ

会社員(30代男性)です。妻と保育園に通う子供の3人で暮らしています。僕は大学院まで理系で、公共関係の業界のとある研究をしていたのですが、そのとき研究していたIT技術、今でいうビッグデータ解析の効用に感銘を受けIT業界に就職しました。そしてその会社で最初の4年半は製品技術や仕様を担当するエンジニアとして過ごし、その後転職して今日までの2年半はクラウドの会社で営業と技術営業を半々くらいやらせてもらいました。ちなみに会社のルールとか色々あり、最後の職場ではパブリックな発表は一切やっていませんので初めての仕事に関わるブログ公開に内心不安です。両親はいずれも地方なので、夫婦どちらかの出張がない限りは基本的に3人家族の共働き子持ちといういわゆるDEWKs(Double Employed With Kids)です。なお厚生労働省労働力調査(1)によると、日本は1997年以降、夫婦によって構成される世帯のうち過半数が共働きであり、その割合は増え続けています。DEWKsの比率は分からなかったのですが、OECDの調査(2)によると欧米諸国に比べて日本では小学校未就学児を持つ母親の就業率はずいぶん低いようです。
(1) 共働き世帯の増加
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/02/dl/s0224-8h_0005.pdf
(2) The OECD Family Database https://www.uclouvain.be/cps/ucl/doc/demo/documents/Thevenon_Base_OCDE.pdf

どうして主夫なのか

4月からは文字通り主夫、専業主夫になります。妻が会社のスイス拠点へ出向するための海外赴任が理由です。こうした海外赴任があることは実は前から知ってはいて、初めてそうしたプログラムを聞いたときには僕も「めっちゃいいじゃん!もし話が来たらすぐOKしてよ。おれすぐ仕事辞めてついていくし!主夫するよおれ〜ははぁ〜ん!」と言っていましたし、わりと本気でそう思っていました。それが予想以上に早く来たんです。しかも自分の仕事が面白くなってきた段階で...。妻から昼間に突然のLINEが来たのが去年2014年の9月中旬。「パパ!」「パパ、大変な辞令を言い渡された...」で始まったLINEはその後100分ほど続き特に後半僕は妻に「俺の仕事はどうなんのよ!あぁ!?」などなどとひたすらキレていました。その日は、遅めの夏休み休暇を取って家族でディズニーランドへ泊まりがけで遊びに行く前日。僕は1日早く休暇をとって歯医者の検診を済ませ、さぁ久しぶりに1人での買い物を楽しもうと電車に乗ったところに知らされたのでした。その後の夢の国でのひとときはもちろんですが、そこから年明けにいたるまで、なかなか眠れない日々が続きました。眠ろうにも「この人(妻)に付いていって大丈夫なのか、自分はこれでいいのか」と思いがめぐり、寝るためにウィスキーを飲む日が続きました。まるでマリッジブルーです。

退職を決意した理由

退職を決意した理由は大きく2点あります。1つはこれは自分の育った環境の影響かもしれませんが、子供は両親とともに生活したほうがよい、そして夫婦も同居したほうがよい、という僕の考えによる点。妻が単身赴任する、あるいは妻が子供を連れていき僕が1人で日本に残る、ということはどうしても選べませんでした。そしてもう1つは、共働きとして夫婦のキャリアの長期的な市場価値の合計値の最大化を考えた点です。正直に言うとこの海外赴任は妻にとっては確実にプラスなものの、僕にとっては今なおプラス要素があるのかは見えていません。でもマイナスではないだろうと思うには至りました。昨年9月のあの日、というかあの100分のLINEの中ですでに選択肢としては、自分が主夫になりスイスに行くことが最も現実的に思えていました。あとは、それが自分のキャリアにとってマイナスにならないか、そもそも1年後に自分が思うように復職できるか確認することが必要だと感じていました。
そこで、僕はその当日から伝手をたどり、自分と同様の選択を過去にした人がどうなっているか、僕の選択を周囲の人がどう思うか聞いて回っていました。その結果、ある意味不可抗力による1年程度の離職は、誰も気に留めない、むしろ相談や打ち明けた数十人の方の9割方が「とても羨ましい」という感想だったので、これは楽観視してもいいんじゃないかなと思えたのです。「羨ましい」と言った方の多くは、恐らく以前の僕のように「ヨーロッパで家庭に入って家族とゆっくりとした時間を過ごす」というメリットについて羨ましいと感じている一方で、そもそもやっぱりそれ以上に主夫になるということを想像して理解することが非常に難しいのだと思いました。これは言い換えると、誰も主夫になるということを簡単には想像できないので少なくともマイナスイメージは浮かばず、さらに納得のいく説明が出来ればプラスにもなり得る、と理解しました。これは人の流動性の高いWebサービスの業界ならではなのかもしれませんが、こうなればあとはこの主夫として過ごす1年間に何をするかを考えれば良くなります。
ただ、海外赴任のくせに少なくとも語学の向上については期待できません。スイスのドイツ語圏に住むため役所や普段の買い物などは全てドイツ語、医者に係るときでさえ「英語が話せる医師はいますか?」からスタートするそうなので英語が上達する機会は無く、一応公用語なのでドイツ語スクール等に通う予定はあるものの...まだ何をすべきかについては答えは出ていません。とはいえ、英語については妻の同僚とのホームパーティや子供のスクールの人と話すために必要なので、この有給休暇の機会に英会話教室に通って特訓中です。ここでの学びは別途改めて書きたいと思います。

子供のこと

子供にとってはプラマイゼロか若干マイナスだと思っています。今はようやく文章として日本語を話せるようになっており、保育園でも他者と遊ぶことが中心になり社会性を身につけ始める年齢です。子供は英語がメインのスクールに通う予定ですが、どうしても日本語は忘れるし、英語も中途半端に覚えて帰る、何より当面はスクールで他の子供と意思疎通が上手く出来ない。それでも僕と2人きりで平日ずっと過ごすよりは、思い切り歌ったり踊ったり体を動かし、同年代の子供とコミュニケーションをとる時間があったほうが良いと思うのでスクールに通わせるんですが、出来れば日本語のスクールがあれば良かったです。「お子さんもこれでバイリンガルだね〜」と言って頂けたりするんですが、僕は”臨界期”を意識するような子供への早期教育にはどうしても懐疑的なので嬉しくはありません。このあたりは、子供の英語習得と併せて別途書いてみたいのですが、ご興味あれば下記書籍もどうぞ。

なお子供も一旦保育園を退園するので、帰国した際にはもう一度保育園に入れてもらうよう交渉しなければいけません。また帰国の時点では僕はまだ主夫かもしれないので保育園に入るのには不利な状況といえます。このような一度離職することによって復職の可能性が遠のくリスクは実際体感すると恐怖です。

お金や資産のはなし

やはり税金とかお金のことも良く聞かれるのですが、面倒で重たいのはまず住民税です。住民税はもともと後払いの税金なので、今年度の所得をもとに今年の6月から来年5月までの分について確実に支払う必要があります。しかも、会社で給料天引きできなくなったので、毎月ではなく年4回にまとまってやってきます。これだけは避けようがなく重たいです。一方で他の税金や年金、手当てなどは日本の非居住者となった時点で支払いの義務や受給資格が失われるので、わりとシンプルです。あとは、株や資産運用などで別の所得が発生する場合には確定申告する必要は出てくるかと思います。
他は自分が原因の奨学金、生保、学資保険あたりです。このあたりは個人差が大きいのですが、僕の場合満期まで解約金返戻金が極僅かで解約しずらい養老保険と、大学院まで利用していた奨学金がちょっと痛いです。自分が30代くらいで無収入になるなんて想像していませんでしたから。また収入を失って体感できたのですが、奨学金は名前こそ美しい響きですが、ただの教育ローンなんですよね。名前変えたほうが良いです。痛すぎます。ここは今振り返ればですが、ローンなんだからもっと厳格に利用額を決めるべきでした。 あと、車は実家に送り、自宅マンション(持ち家)は不在の間友人に月1くらいで見に来てもらうことにしています。

これから

長々と自分のことばっかり書きましたが、色々と理解を下さったお客様はじめ会社の方々、友人や相談に乗って下さったみなさまには大変感謝しております。ありがとうございます。書いていても色んな思いが錯綜してうまく書けていないところもある気がするので、適宜補足など書いたり話したりしたいと思っています。そうした情報がこれから主夫や長期の育休を取ろうと考えている方にとって少しでも希望のもてる話になれるととても嬉しいです。
今後はお気楽な主夫ブログを書いていこうと思います。どうぞよろしくお願いします。